金色はその豪華さと輝きから、多くのアーティストやデザイナーに愛される色です。
しかし、市販の金色の絵の具だけでは思い通りの色にならないことも多く、自分で金色を作る技術を身につけることが重要です。

本記事では、アクリル絵の具・水彩絵の具・ポスターカラーなどの異なる種類の絵の具を使って金色を作る方法を詳しく解説します。
また、金色を作る際に欠かせない「三原色の活用法」や「金色と銀色を組み合わせた表現方法」にも触れ、初心者でも失敗しにくい混色のコツをご紹介します。
特に、金色は微妙な調整が必要な色なので、適切な色の比率を知ることで、より美しく輝く金色を再現できます。
本記事を読めば、あなたの作品によりリアルで美しい金色を取り入れることができるでしょう。金色の作り方に関心のある方、絵の具の混色に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください!
金色の作り方:基本的な混色方法
アクリル絵の具を使った金色の作り方
アクリル絵の具で金色を作るには、主に黄色、茶色、白を使用します。基本の配合は以下のとおりです。
・黄色(カドミウムイエロー)をベースにし、たっぷりと使用することで鮮やかさを確保します。
・茶色(バーントアンバー)を少量ずつ加えて、黄金の深みを増しながら徐々に色合いを整えます。適量を加えることで、金属的な重厚感を演出できます。
・白(チタニウムホワイト)を適宜混ぜることで、金色の明るさや柔らかさを調整できます。特に光が当たる部分の輝きを際立たせたい場合には、少し多めに加えると効果的です。
・メタリック感を出したい場合は、パール系のメディウムを加えると、光の反射を増幅し、よりリアルな金属質感を演出できます。また、ゴールドパウダーを微量加えることで、さらに輝きを強調できます。
・金属的な光沢を出したい場合、乾燥後に透明なグレーズメディウムを薄く重ねることで、よりリアルな反射効果を得ることができます。
・さまざまな金色のバリエーションを出したい場合は、オレンジ系や赤系の色をわずかに混ぜることで、より温かみのある金色が表現可能です。
水彩絵の具での金色の表現
水彩絵の具では、透明感を活かした金色を表現することが重要です。
・黄色(レモンイエロー)を主体とする
・オレンジや茶色を加えて温かみを出す
・メタリックな輝きを表現するには、ゴールドの水彩顔料を加える
ポスターカラーで金色を作る簡単手法
ポスターカラーでは、以下のように色を混ぜることで金色を作れます。
・黄色に茶色を加え、明暗を調整する
・銀色の絵の具を少量加えて輝きを出す
・白や黒で彩度を調整する
混色の基本:三原色の活用
三原色(赤、青、黄色)とは?
三原色(赤・青・黄色)は、すべての色を作る基礎となる重要な色であり、金色を表現する際にも欠かせません。
黄色は金色のベースとして最も重要な役割を果たし、赤と青を適切に組み合わせることで温かみや深みを調整することが可能です。
また、三原色を用いることで、好みに応じた多様な金色のバリエーションを作り出すことができるため、絵の具の特性を理解しながら慎重に色を混ぜることが大切です。
三原色を使った色合いの調整方法
・黄色をベースにし、赤を少量加えることで、金色に温かみを加え、柔らかい輝きを演出することができます。
・茶色を混ぜることで、金色に深みを持たせ、より落ち着いた金属的な雰囲気を表現することが可能になります。
・黒を加える際は特に注意が必要で、多すぎると金色の鮮やかさが失われ、鈍い色になってしまうため、微量ずつ慎重に混ぜるようにしましょう。
・金色に透明感を加えたい場合は、少し白を加えつつ、グレーズ技法を用いることで光の効果を生かした自然な色合いを実現できます。
金色に必要な色の比率
金色の色味を決める際には、適切な比率で色を混ぜることが重要です。以下の比率を参考にすると、バランスの取れた金色が作れます。
・黄色 70%(ベースカラーとして金色の基本)
・茶色 20%(深みを加え、落ち着いた色合いを演出)
・白 10%(明るさと透明感を調整し、光沢を表現)
・赤やオレンジを微量加えることで、より温かみのある金色にすることも可能です。
金色を作る際には、光の当たり方や使用するメディウムによっても色の見え方が変わるため、目的に応じた微調整を行うことがポイントです。
金色と銀色の違いと混ぜ方
金色と銀色を混ぜる方法
金色と銀色を混ぜることで、より多彩なメタリック表現が可能となり、用途に応じた色の調整がしやすくなります。

金色は温かみのある輝きを持ち、銀色はクールな印象を与えるため、それらを適切な比率で組み合わせることで、アンティーク調の質感や、モダンなメタリックカラーを表現することができます。
・金色に銀色を加えると落ち着いた金属光沢が出て、よりリアルなメタリックな風合いになります。
・配合比率を変えることで、真鍮のようなやや黄色味が強い色や、プラチナのような冷たい輝きを持つ色へと調整可能です。
・微量の黒を加えることで鈍い金属質感を表現でき、シックな雰囲気を演出できます。
色合いを調整するための比率
・銀色が多いと冷たくクールな印象の金色となり、白銀のような上品な輝きを持たせることができます。
・銀色を少なめにすると温かみのある金色になり、ゴージャスで華やかな印象を与えることができます。
・少量の赤を加えると、より豊かな金色となり、アンティークな雰囲気を演出することが可能です。
・青みがかった銀色を混ぜることで、幻想的で未来的な金属表現を実現できます。
金色と銀色を使った表現方法
・背景に銀色を薄く塗り、その上に金色を重ねることで、光沢感のある多層的な色合いを作ることができます。
・光の当たる部分に銀色をハイライトとして使うことで、立体感をより際立たせ、リアルな金属感を表現できます。
・金色の上に薄く銀色を重ねることで、パールのような輝きを持たせることが可能です。
・金属の酸化や経年変化を表現するために、銅や青色を加えることで、ヴィンテージ調の金属質感を演出することもできます。
簡単に金色を作るためのヒント
初心者でもできる金色作り
・黄色と茶色を基本に調整し、混ぜる際には徐々に色を加えて希望する色合いに近づけることが重要です。特に、黄色を多めに使い、少しずつ茶色を足していくことでバランスの取れた金色を作ることができます。
・明るさの調整には白を活用し、必要に応じて微量のオレンジや赤を足すことで、より豊かで温かみのある金色を表現することが可能です。白を入れすぎると金色が淡くなりすぎるため、少しずつ様子を見ながら調整しましょう。
・メタリック感を出すには専用のメディウムを使うのが効果的で、特にゴールドパウダーやパール顔料を混ぜることで、よりリアルな輝きを再現できます。また、仕上げにグレーズ技法を用いることで、より光沢感のある金色が得られます。
混ぜる時の注意点
・黒を入れすぎると金色がくすむため、使用する場合は微量に留め、金色の温かみを損なわないよう注意が必要です。
・混色しすぎると濁るので、少しずつ加えることが大切です。また、混ぜすぎると金属特有の輝きが失われてしまうため、適度なバランスで留めるようにしましょう。
・混色する際には、自然光の下で確認しながら行うと、実際の発色がより正確に把握できます。
失敗しないためのコツ
・事前に小さなパレットで試し、希望の色になるかどうか確認することで、意図しない色になってしまうことを防ぐことができます。
・乾燥後の色味を確認することが重要で、特にアクリル絵の具の場合は、乾燥すると色が若干暗くなる傾向があるため、最初からやや明るめに調整すると理想的な金色が得られます。
・透明感を出す場合は、グレーズ技法を活用し、複数の薄い層を重ねることで、深みのある金色を表現することが可能です。また、光沢を増したい場合は、仕上げにニスやメタリックメディウムを使用するのも良い方法です。
金色をデジタルで表現する方法
デジタル絵の具での色合い
・RGBでの金色の推奨値:R 212, G 175, B 55。
ただし、画面上でよりリアルな金色を表現するためには、R 230, G 185, B 80 など微調整を行うとよい。
・CMYKでの金色の推奨値:C 0, M 30, Y 80, K 20。
ただし、印刷媒体によって発色が異なるため、試し刷りをしながら調整するのが望ましい。
・HSVでの金色の推奨値:H 45°, S 76%, V 85%。
HSVを活用することで、光の角度や色の変化をより正確に表現することができる。
金色を再現する際の設定方法
・グラデーションやハイライトを加えることで、平面的な色合いから立体的な金属感を作り出せる。特に、オレンジや淡い黄色を組み合わせると、より豊かな表現が可能。
・光の反射を意識したブラシを使うことで、金属のきらめきや輝きがより強調され、リアルな質感を出すことができる。
・影の部分にはわずかに紫や深い青を加えることで、より自然な陰影をつけることができる。
デジタルアートでの混色技巧
・レイヤーモードを「オーバーレイ」や「スクリーン」に設定することで、下地の色と馴染みやすくし、より輝きを強調した金色が作れる。
・金属の質感を出すためにノイズを加えることで、細かい光の反射を表現できる。特に、グレイン(粒子)を加えると、より本物に近い金属感を再現しやすくなる。
・リアルな金属感を出すためには、光源の位置を意識し、複数の異なる明るさのハイライトを加えることで、より奥行きのある仕上がりになる。
これらの手法を活用すれば、目的に応じた美しい金色を作ることができ、デジタルアートの表現力を高めることが可能です。
まとめ
金色の作り方にはさまざまな方法がありますが、基本となるのは「黄色をベースに茶色や白を適量混ぜる」ことです。アクリル・水彩・ポスターカラーなど、使用する絵の具によっても調整が異なるため、それぞれの特性を理解しながら色を作り出すことが重要です。
また、金色と銀色を組み合わせることで、独特のメタリックな質感を演出することも可能です。
銀色を多めにするとクールな金属感が、少なめにすると温かみのある金色になります。デジタルアートでは、RGBやCMYKの調整を行うことで、より理想的な金色を再現できます。
混色の際には、黒を入れすぎるとくすんだ色になるため、微量ずつ慎重に調整することがポイントです。
また、金色の輝きを引き立てるためには、グレーズ技法を使ったレイヤリングや、光の反射を意識したハイライトの追加が効果的です。

金色を自在に操ることができれば、作品の表現力が格段に向上します。
本記事で紹介した基本的な混色の方法やコツを活用し、自分だけの理想的な金色を作ってみてください。きっと、あなたの作品に新たな輝きが加わるはずです!